開発者から見るスクラムマスターのチームへの関わり方
現在、私は開発者としてアジャイル開発でモブを使って開発をすすめているプロジェクトに参画しています。 チームはスプリントを重ねるにつれプロジェクトメンバーがチームとして何をやるべきかを考え、協力して、答えを導き出すという行動が日常から行われるようになりました。 そんなある日、外部からスクラムマスターが新たにチームにジョインしました。 そして、そこからスプリントレビューが迫った前日にスクラムマスターがこう言いました。
「次は何するんだっけ?何するか決まってますか?今日の目標は?」と。 その場を仕切りだして、プロジェクト進行をし始めたのです。
チームメンバーは「え?」となり一時的に固まりました。
明日スプリントレビューってのもわかっているし、デイリースクラムで進捗の内容も確認して明日には間に合いそうな状況です。
プロジェクト進行を凍らせるほどの役割がスクラムマスターなのか そもそもスクラムマスターってどういう風にチームと関わるのか良いのかを考えるようになりました。
スクラムマスターの役割
スクラムマスターは何をするのか、すべきなのかをまずは知る必要があるなと思い調べてみました。 以下に代表的なものをあげてみます。
- スクラムイベント、各ロールの役割を浸透させること
- スプリントゴールへの障壁を取り除くこと
- PO、開発メンバーのサポート
まとめるとチームの状態を把握しながらも、成長させゴールに導くといったところでしょうか。
チームの状態を把握して関わる
前述の役割を考慮すると、チームの状態を把握することが必要になってきそうです。 これは、個人の特性や性格はもちろんのこと、チームの成長度合いを図る必要があるのかなと思います。
チームの成長状況を把握する1つの指標に、タックマンモデルが 使えそうだったので、それぞれのフェーズがどのような状態かを記載したのち 考えを入れていきたいと思います。
フェーズ | 説明 |
---|---|
形成期 | メンバーが集まったばかりで、お互いのことを理解できていない。不安が続く状態。 |
混乱期 | 各メンバーの本音や意見が活発になる状態が続く。対立や衝突が発生する。 |
統一期 | お互いを理解し、違いを認めあえている状態。共通のルールや役割が明確になりはじめている。 |
機能期 | チームに結束力がうまれ、ゴールに向かっている状態。チームメンバー同士のフォローも生まれる。 |
閑散期 | プロジェクトが終了する段階 |
特に、形成期、混乱期ではチーム内でのトラブル、チームとしての考えが簡単にまとまらないことが多くでます。そんなときに進め方が安定するまでスクラムマスターに入り込んでもらい道を切り開く手助けをしてほしいと思います。
そして成長してメンバーがリーダシップやタスクのオーナシップを発揮して進めることができれば、迷ったときにスクラムマスターにコーチングして助けてもらうことで自分たちのできることが徐々に増えると思います。
つまり、形成期、混乱期はスクラムマスターがティーチングを中心に進め、積極的に関わり 逆に統一期、機能期では積極的に関わる必要はなく必要になった段階で関わるのが良いと感じています。
【引用元:https://slmt.co.jp/team_building/】
あくまで支援をしてほしい
最後にチームと関わる場合について一言いいたいのは、あくまで支援であってほしいということです。
冒頭の例のように、チームの状態を把握していないままスクラムマスターが起点で物事をはじめてしまうと 「やる気」がなくなったり、スクラムマスター中心に物事が進む状況が出来上がってしまいます。
アジャイルソフトウェア開発宣言には、「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」「計画に従うよりも変化への対応を」とあります。
できるだけ顧客に価値を提供するにはこれらを実践していく必要があります。 そのためには、自己組織化も必要です。
チームの状況を把握し、あくまでチーム起点で物事が進むようにスクラムマスターはコーチングすることが重要だと思います。
そのために、あえて答えを言わず開発者が困ったとき、求められたときに支援の手を差し伸べてほしいし、また頼りたいと思える存在であってほしいと思います。